総務省の「家計消費状況調査」によると、2018年時点のネットショッピングの利用率は、2人以上の世帯の平均が39.2%であるのに対し、65歳以上の高齢者世帯では21.1%となっています
シニア世帯のネットショッピング利用率は2007年の7.0%から11年間で約3 倍にまで伸長しています、スマホをバリバリ使いこなすシニア層も最近では珍しくなく、将来的にはネット市場に大きな影響を与える存在になっていくことが予想されます
60代のスマートフォン利用率が急速に増加
世代別マルチデバイス利用調査
インテージのマルチデバイス利用調査による世代別、インターネット、PC、スマートフォン利用率の変化です
インターネットの利用率は、10代から40代でほぼ100%、50代でも90%ですが、60代ではまだ70%にとどまっています
PCの利用率は、どの年代も減少傾向にあります
スマートフォンは、60代は他の年代と比較してPC利用率以上に差があります、しかしながら、2016年から2018年の伸び率は他の年代を圧倒し急速に利用者が増加していることが解ります
シニア層は人口も多く今後の伸び代が期待できる
インターネットの利用率の今後の伸び代が大きく、人口ボリュームの大きいシニア層は今後のネット市場の拡大において、重要となってくることは間違いありません
また、シニア層では2018年に利用率が逆転したとは言え、PCの利用率から見ると以前として重要なデバイスと言えます
シニア層のサイト利用のトップはYahoo!
インターネット利用者における60代と全世代平均のサイト利用データの比較結果
利用率から見えてくるもの
シニア層の利用率トップ3は「Yahoo!」「Google」「楽天市場」で全体平均と同じで、利用率も全体平均並または平均以上です
注目に値するのが全体平均と比較して「Yahoo!ショッピング」13.0ポイント、「楽天市場」6.5ポイントと夫々アップしていることで、ポータルサイトとしての「Yahoo!」の利用から「Yahoo!ショッピング」が利用されているものと思われます
「LINE」「Twitter」のSNS利用率が20ポイント全体平均を下回っていますが、「朝日新聞」「MSN Japan」などのニュースサイトでは逆に上回っています
利用状況から見えてくるシニア層の価値観
人付き合いや友人関係に関する価値観
人間関係においては「人づき合いをあまり積極的に広げたいとは思わない(53.8%)」といった考えを持つ人が多く、また現在の友人関係については、「プライベートには深入りしたくない(71.8%)」「触れてほしくないことがあるときは、黙って見守るべき(78.6%)」というように、自分の本音を包み隠さず話し、何でも悩みを相談したいというよりは、お互いのデリケートな部分には触れずに傷つけないように気を遣って接するのが望ましいと考えているようです
価値観から来るSNSの利用率の低さ
SNS活用の主な目的として、人とつながることや情報収集・発信がありますが、前述のようにそのような意識が少ないので、SNSの利用率が上がらないと思われます
消費意識に関する価値観
シニア層は「話題性があっても、品質の裏打ちがなければ買わない(全体との差 14.0ポイント)」、「ものを買うときは価格に見合う価値があるか吟味する(全体との差 10.8ポイント))」など、インターネット上で話題になっているものや口コミへの関心は低く、実際に自分で試してより良いものを自分で選んで発見していきたい、という意識が強くみられます
また「気に入った商品やサーブスは長く買い続ける(全体との差 8.6ポイント)」と浮気に走らず長く継続する傾向が強いようです
(Via Intage.)