日本労働組合総連合会は、高齢者雇用に関する意識や実態を把握するため、「高齢者雇用に関する調査」を2019年12月18日~12月20日の3日間でインターネットリサーチにより実施し、その結果を2020年1月30日公開しました
60 歳以降も働くシニアの仕事満足度
60 歳以上の人( 400 名)に、現在の仕事についての満足度
「満足している」と回答した人の割合
「働き方」では 70.3%、「労働時間」では 73.8%、「労働日数」では 73.3%、「仕事内容」では 71.5%、「賃金」では 44.0%となり、60 歳を迎えて 以降も 働くシニアは、自分らしく働くことができていると感じているものの、賃金には納得していないということがうかがえる結果となりました
60 歳以降も働きたいと思う理由
全回答者(1,000 名)に、今後、何歳まで働きたいと思うかの問いには、平均 67.4歳
年齢別にみると、働きたいと思う年齢の平均
45 歳~49 歳の人では 66.3 歳、50 歳~54 歳の人では 66.2 歳、55 歳~59 歳の人では 65.7 歳、60 歳~64 歳の人では 67.8 歳、65 歳~69 歳の人では 71.1 歳でした
60 歳以降も働きたいと思う理由
1位「生活の糧を得るため」 77.0% 、2位「健康を維持するため」 46.2%、3位「「生活の質を高めるため」 33.9%と続いています
回答者の年齢別にみると、「健康を維持するため」や「勤務先から継続して働くことを望まれているから」などは年齢が上がるほど高い傾向がみられ、65 歳~69 歳の人では「健康を維持するため」は59.3%、「勤務先から継続して働くことを望まれているから」は26.1%となりました
政府による 70歳までの就労機会確保に向けた施策の推進に対する賛否
全回答者(1,000 名)に、政府において、高齢者雇用の拡大の議論が進んでいることを知っているかの問いには、「知っている」は69.8%、「知らない」は30.2%となりました
また、政府が70 歳までの就労機会確保に向けた施策を推進していくことに賛成かの問いには、「賛成」 71.4% 、「反対」 28.6%で、肯定的にとらえている人が多数派となりました
回答者の年齢別にみると、「賛成」と回答した人の割合が最も高かったのは65 歳~69 歳(87.0%)、最も低かったのは45 歳~49 歳(61.0%)でした
65 歳以降も働く場合に心配なこと
全回答者(1,000 名)に、病気や体力の衰えがあったとしても、働けるうちは継続して働きたいと思うかの問いには、「働きたいと思う」は74.2%、「働きたいと思わない」は25.8%となりました。可能な限り働き続けることに対し前向きな人が多い結果となりました
長く仕事を続けることを考えた場合の不安要素
全回答者(1,000 名)に、65 歳以降も働く場合、どのような心配があるかの問いには、「自身の体力が持つか」(65.5%)が最も高く、次いで、「自身の健康を維持できるか」(57.5%)、「十分な所得が得られるか」(48.4%)、「年金制度が変わらないか」(37.8%)、「自身が希望する働き方で働けるかどうか」(31.7%)となりました
長く仕事を続けることを考えた場合、健康面を不安視している人が多いようです
65歳以降の就労が当たり前になった場合の現役世代への影響予想
全回答者(1,000 名)に、 65 歳以降も働くことが当たり前の時代になった場合、現役世代へはどのような影響があるかの問いには、があると思うか聞いたところ、「年金の支給開始年齢が遅くなる 」( 43.5 %%)が最も高く、次いで、「賃金の上がり方が緩やかになる」( 30.6 %%)、「働く場が少なくなる」( 25.4 %%)、「昇進・昇格が遅くな」( 16.4 %%)、「マネジメントが難しくなる」( 15.1 %%)となりました
年金制度 や賃金の上昇具合 に影響が出ること を予想する人が多いようです
「高齢者雇用に関する調査 2020」のすべてはこちらのPDFで確認することができます
(Via 日本労働組合連合会.)